メンタルケアとは

私たちが行なっている「メンタルケア」は、今日世間に広まっている不登校・ひきこもりの児童に対する考え方とは少なからず異なります。
これからあなたが読む内容は、きっと当たり前の事しか書いていないと思います、しかしながらこれを読んで自分の思いと合致するのなら私たちに相談するのも一つの道かも知れません。

学校に対する考え

識者などからよく聞く言葉「学校なんか行かなくたっていいじゃないか」。果たしてそうでしょうか?
学校に行っていない子供を持つ親にとってこんなに慰められる言葉はありません。親も子供も「学校に行かない」と言うことが社会的に悪であるのを承知しているのに、このことから開放されるからです。
加えてカウンセラーやフリースクール、時に学校の先生からも「そうっとしておきなさい」「見守りましょう」といった言葉を聞かされます。元々このままではいけないと思っていたはずが全く逆の結果をその道のプロから教え込まれるわけです。そしてその言葉を鵜呑みにしての生活がスタートする。
確かにそうっとしておく期間は必要でしょう。それは一つに学校と言う場に苦しんでそうなったとしたのならば癒しの期間、考える期間があっても悪くはないと考えるからです。また、その方法しか手立てがなかったとも考えられます。しかしその期間が半年も、1年も、長いと10年などと言う事例さえありますが、これは正しい対処と言えるのでしょうか?
不登校児を持つ保護者に宛てて「学校に行かなくてもいい、有名な○○さんだって学校に行ってなかったんだから」などと言っているのを耳にしますが、目の前にいる子がいつからそんな天才になったのでしょうか。こんな事例を引き合いに出すのは特殊すぎるのです。そして「そうっとしておきましょう」「見守りましょう」この言葉で立ち直れる子は、元々ある程度の危機感と復帰できる社会性を兼ね備えています。第一そんな子供は半年もひきこもりません、なぜならひきこもる事にメリットなど無いとすぐに理解するからです。
ならば危機感や社会性をもっている子供や天才を除いて、先に述べた言葉は何を投げかけるでしょうか、それは「放置」に他なりません。 そもそも学校に行かなくなったその理由は何でしょうか。いじめなどはまだ理解できますが私たちが今までに関わった子供の多くは「友達と馬が合わない」「先生が気に入らない」「なんとなく」「給食が嫌い」「家の方がいい」などなど、あきれる回答の数々、これはわがまま以外の何ものでもありません。
考えてみてください、いじめも含めてそれは学校だから発生していることなのでしょうか?大人になったらきれいさっぱりなくなるものなのでしょうか?だからその期間を避けていると言うのなら納得できますがそうではない筈です。現にこれを読んでいるあなたも、仕事に行けばたくさんのしがらみの中で戦っているはずです、我慢などは当たり前、いじめや不平等も溢れるほどある、しかし会社に行かないなんて選択肢はありません。いずれあなたの子供も大人になる、だからこそ子供の内に戦う力を養わなければならないのではないでしょうか。だったら親として、なぜ学校という「子供の社会」に出なくてもよいと言うのか。こんな矛盾は言われずとも分かっていた事なのです。学校は単に勉強を教える場所ではなく、子供が社会に巣立つ為の社会性や協調性を養う場として不可欠、それを教えるのが本当の愛情なのではないでしょうか。

現状

しかしこのことを正しいと分かっていてもその想いをぶつける術がわかりません。家庭という最小単位の社会で狂ってしまった歯車は、数が少ないだけ修復も容易ではありません。まして、その子にはどうしようもない状況がすでに発生してしまっているわけです。
学校に戻らなくてはいけない事は本人も解かっています、戻りたいのです。しかし、友人関係、勉強の遅れ、体力の低下、周りの目、そして何よりも学校に対する恐怖心。どれをとっても学校に戻る術など存在しないししかも自分の周りに導ける人はいないのです、それどころか、いつまでたっても「そっとしておきなさい」の言葉を周りが言い続けているのかもしれません。まだ、自分で学校に行かない事が自分をどのような立場に追い込んでいくかも解からない子供が、それを理解し教えてくれるはずの大人たちから見放されているのです。私たちはこれほどむごい事はないと考えます。

選択肢

このような状況の中でどんな選択肢を取るのか、そのまま見守る、カウンセラーに相談する、心療内科に診てもらう、私たちはその方法を否定するわけではありません。
しかし子供の未来の為に今のままでは駄目だという事をはっきりと言い、そして言うだけではなく傍らで社会に復帰する為の道しるべとなり、最後まで親子を見守り、この状態を打開するシステムは「メンタルケア」以外には数少ないと考えます。
学校は「子供の社会」であり生活の場です。笑い、怒り、喜び、悲しみ、そして励み、耐えこれらの全てが人間形成の為に必要不可欠であり、家庭にいては体験できない、親の力では再現しきれないものなのです。だからこそ学校復帰を第一に考え、そこに到達する為の数々のステップを、親と子と私達スタッフで一丸となって進める、それが本学のメンタルケアプログラムなのです。

不登校を続けることは危険

皆さんは不登校をしている間の子供の状態をどのように考えますか?成長している、時間が止まっている、違います、多くは後退しているのです。学校に通う子供たちが日々たくさんの経験を積んで進化していく中、ひきこもった子供は好きな時間に起き、好きな時間に食べ、好きな事をし、後ろめたさから親とも接触を避けて部屋に閉じこもっています。人は自制心がなければどこまでも堕落して行きます、まだ自制心が充分育っていない成長期の子供にとって、自由気ままほど堕落して行くものはありません。そしてその堕落して行く自分を止められない事、止めてくれない事をふがいない親にぶつけて来るのです「しっかり私を導いて欲しい」と。私たちはそのような状態に陥ってしまった親子に直接向き合い、真実を話します。そして本人に納得してもらい新しいスタートを切るのです。何も教えずに放っておくのと、どちらがその子の未来を考えていると言えるでしょうか。目先にとらわれて将来のある子供の人生を台無しにしてはいけないと私たちは考えます。

社会復帰に向けた穴埋め

学校に(社会に)復帰すると言っても、簡単にできるわけはありません。それぞれの子供の苦手とするところを克服して行きながら復帰に向けて少しずつ努力を続けて行きます。引きこもっていた時に後退してしまった部分を補わなければなりません。社会性、協調性、自主性、学力、体力、乱れてしまった生活習慣、そして自信やもう一度学校に復帰する勇気。その全てが私たちの進めるカリキュラムにより備わって行くのです。

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塾教育学院  長田 隆宏

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