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退寮にあたって

4月6日、僕は長田百合子先生につれられてこの寮に来ました。
この寮に来た理由は、僕が学校に行かなくなり、不登校になってしまったからです。
僕がこの寮に来る前の気持ちは、学校に行きたいけど、何か友達に悪口を言われる、勉強に追いつけないという気持ちでした。勉強に追いつくために行こうとしても、友達に何か言われるという気持ちでいきにくい、だけどそう言って行かなければ、友達にますます怪しまれるし、勉強だって学力の差がどんどんひらいてしまいます。
転校したらいいじゃないかという話も出ていたけど、友達と別れるのはいやだし、今の自分じゃ自身がなく、転校はしませんでした。とにかく何も行動にうつせず、ゲームやテレビ、漫画などずっと読んでいました。
そしていつの間にかもう、半年ぐらいたっていました。
家にいれば楽だし、おかしだって食べられるし、自分が何もしなくても、洗濯、食事、掃除かどすべて親がやってくれて、ただ、1日をボーとしてすごしていました。
僕は親の苦労を何も思っていませんでした。
ずっと親は、僕のために声をかけてくれたりしてもらいましたが、僕は、親としてあたり前、という考え方でした。だから時々、親とけんかしたとき、よく僕は「親なのだから当然のことでしょ」や、「そんなことするなんて親失格だね。」と、意味のわからない事ばかり言っていました。親失格といっていますが、ご飯を作ってくれるのも親だし、洗濯しているのも親だし、お金なども、親が働いているからこそある物です。
そう、いばりながらも僕は何もやっていないどころか親に迷惑ばかりかけていました。
「これ買ってほしい」や「こうじゃなきゃいや」とかわがままを言っていたし、最低限の学校まで行かなかったです。
長田百合子先生が来るまで僕は、ただ迷惑をかけて、お金を使って自分の今の問題に向き合いませんでした。だけどもしも、親がいなかったら僕は何も出来なく死んでいたと思います。親がいた親がいるから今の自分があると思います。
聞くところによると、子供に薬を飲ませてそのままねこんでいるという子供がいると聞きました。
親が違っていたら僕は薬を飲まされたかもしれません。
そうしていたら今という自分はありません。今頃寝ているかもしれません。それだけでも感謝しなければいけません。僕はそういう親を感謝するということができていませんでした。
この寮に入れてくれたのも親です。毎日作文を書いて、この寮の長田百合子先生に手紙を送っていました。
そして、僕がこの寮に来るきっかけとなった、長田百合子先生がきました。
そして、注意を聞いていた時、僕はお父さんがご飯作ってくれないと言いました。
これはやっぱり親を感謝する心がなかったからだと思います。ご飯を親が作るのがあたり前という考えでいたからだと思います。
親が食事を作るのは当然ではありません。ましては、基本の学校に行くということもできていないのにこういうことを言うのはありえないです。
僕が学校に行かなくなった理由は、親のせいでもないし、友達のことでもないし、姉のせいでもありません。
たとえ姉が学校に行かなくても、自分は姉とは違うという事を見せ付ければいい事です。
僕が行かなくなった理由は自分自身にあります。
どんなりゆうがあっても自分で行こうとしたら行けたことです。
そして僕は、長田百合子先生につれられ、長田寮に来ました。はじめ入ってきたときは、何もわからず、おどおどしていました。ここに入ってきたことが不安で、これからやっていけるのかと心配していました。
けど、自分の悩みを指導係のAさんに聞いてもらい、「ここは努力すれば、すぐ出られる。中学一年なら、学校に戻れるよ。」などはげましてくれたり、アドバイスをしたりしてくれました。
そのおかげで今の自分があると思います。そういうAさんに感謝しています。ここに来て、一番着になったのはレストアです。最初は何のためにやるか分かりませんでした。
なぜか聞くと、Aさんは「決められた予算の中で、どれだけ工夫して、その予算内に収めるか。」という事を言われました。僕はこの寮に来る前は、欲しい物があったらやたらに買っていました。
だけどこの寮のレストアの事で考えたとき、それはまずいことだと思いました。レストアは、決められた予算内で、工夫して完成させて祖の余ったお金を自分のものとします。
家だってそうです。月に一度、親が稼いだお金が入って、それで生活していきます。
なのに僕は、そのお金をどんどん使っていました。もし、これがレストアだったら、安いお金で完成させなければいけないのに、こんなどんどん使っていたら、お金が増えるどころか減っていきます。
僕はこのレストアで、今まで自分が使っていたお金で親や生活を苦しめるということがよく分かりました。
そして僕は3ヶ月ぐらいたつと、もう、他の皆とも話ができ、正直、家にいてゲームをやっているより、人と話すほうが面白かったです。
僕は家にいる間、ゲームばかりやって、友達と話しているときの面白さを忘れていました。
ここに来て、そういう気持ちをとりもどせてよかったです。
この寮は12時に寝て、6時に起きるということで少しきついし、運動もきついなと思いました。
だけど、1番きつかったことは食事当番、洗濯、掃除などでした。家にいるときはこれを全部親にやってもらっていました。
僕がやってみると、食事当番は味など考えなければいけないし、洗濯は洗ってすぐ干さないと臭くなります。
掃除だっていつも部屋がきれいだったけどそれを掃除しているのは親です。
こういう大変な事を僕は親にまかせっきりでした。
ここに来て、親の苦労がわかりました。
僕は親に、「親として当然のことができていない。」と言っていましたが、その当然なこと以上、僕の親が動いていたという事がわかりました。
当然のことができていないのは自分です。
子供として学校に行くというあたり前の事ができていませんでした。
こういうことで親が苦労しているという事を知りました。そして、月日が立ち、月例ミーティングで僕とBさんが退寮といわれました。
この時、ぼくはうれしいけど顔で表現できませんでした。なぜかというとここで気をゆるめたら駄目だからです。
僕の今の気持ちは、ここで学んだことを学校生活でいかしていきたいという気持ちです。
それと、親に会って、自分は変わったということを見せたいです。
僕は、もう、親だけに大変な思いをさせたくないです。
それなのに、さらに僕がひきこもって、もっと苦しい生活をしていたのに、親は、百合子先生と話して学校に行かせるための努力をしていました。
今までこういった迷惑をかけたので自分ひとりでも大丈夫ということを家に帰って、見せていきます。

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