長田寮活動報告

11月といえば"名古屋シティーマラソン"です。
 平成18年11月23日(木) 勤労感謝の日に、気温11℃、湿度65%の曇り空という絶好のマラソン日和に恵まれ、参加人数15,000人。内10キロの部は約5,000人というビッグレースにわたしたち長田寮生は全員参加しました。

 目標は10キロを1時間以内で完走することです。

 この日のために雨の日も、風の日もひたすら練習を積み重ね・・・というところですが、
実際は 練習不足(走りこみ不足)でこの日を迎えたのです。
というのも最近の課外学習でもある"名古屋市ソフトバレーボール大会のトリムの部で一勝する"の目標を掲げ、日々、練習をしていたために、バレーの合間に走りこみをすることは体力的に無理ですし、この大会前という大切な時期にオーバーワークで怪我でもしたら大変ですので、 例年のように少しずつランニング距離を伸ばしていくという練習方法がとれずに大会当日を迎えたのです。
とは言っても、まったく練習無しでは10キロなど挑めません。
バレーボール練習日のランニング距離を伸ばしたり、瑞穂競技場の利用が可能なときは短い距離でのジョギングを行ったり、体力的にも無理が無い日で、余裕があれば名古屋市の北区にある矢田川河川敷で長めのジョギングをしたりと(ここでの動植物の営みに感動しましたし、アゲンストの走りこみ練習にもなりました)子どもたちの体調や状況に合わせながら調整していったのです。

そして大会当日・・・ 朝、7:30 長田寮を出発し徒歩10分。
地下鉄「○○駅」に到着後、地下鉄にて一路、瑞穂競技場へ向かいました。
車内は明らかに今日名古屋シティーマラソンに出場するとみられるアスリートで一杯です。
このときから闘争心がかきたてられ、みなライバルに見えるのが不思議・・・。
会場到着後、当たり前の話ですが、15,000人が一箇所に集結するだけに周りは人、人、人、そして、こんなときのお決まりが迷子の出現です。
迷子といえば幼児もしくは小学生でも低学年・・・といいたいところですが、長田寮生過去の実績?からお伝えしますと、下は中一から上は23歳まで。
ですから毎回、危険回避のために たとえ迷ったとしても万全の対策をもって指導員はこの日を迎えます。
迷った本人はしっかりと前を向いて歩いているつもりでも、結果は見失ってしまった・・・とよく言います。迷う子は決まって入寮して間もない子が多く、気配り、目配りや周りの状況判断や流れをつかみきれず、緊張感も無いままついてくるためか、事前に迷わないよういくらミーティングを重ねていても、やはり今回3人の子が5分間ほど迷子になりました。
しかし、最終的に迷った場合はうろうろせず「時計台」の下に集合・・としていたため、大事には至りませんでしたが本人曰く「この年で迷子になるとは思いませんでした。でも、時計台ってわかってたんで良かったです。」
今年は寮生20人に対して引率者5人を配置しましたが、来年は更なる"迷子対策"をとらねばと課題を残しました。迷った子供たちにとっては気の毒でしたが、この失敗が良い人生勉強になったと思いますし、また、ある子にとって引きこもっていた頃のように「人に会うのが怖い」などとはこの人ごみでは言っていられませんし、初めて地下鉄に乗った・・・という子もいて、どの子にとっても大変よい経験になったと思います。

それでは練習不足のなか挑みました名古屋シティーマラソンでしたが、その結果をお伝えいたします。
《名古屋シティーマラソン10キロの部 結果発表》
  < 順位:6,437人中 >
A君 41:** 1**位 K君 48:** 7**位
B君 43:** 1**位 L君 49:** 8**位
C君 43:** 2**位 M君 49:** 8**位
D君 45:** 2**位 N君 51:** 12**位
E君 45:** 3**位 P君 52:** 15**位
F君 45:** 3**位 Q君 52:** 18**位
G君 46:** 4**位 Rさん 53:** 17**位
指導員1 47:** 4**位 Sさん 55:** 21**位
H君 47:** 4**位 T君 56:** 30**位
指導員2 47:** 5**位 U君 58:** 34**位
I君 48:** 6**位 指導員3 58:** 34**位
みんなの意見・・・
・ 今日シティーマラソンの日を迎えました。
毎年出場していますが、あの空気の中で走るのは すごい好きで今日も楽しんで走れました。
・今日のマラソン大会のためにボクシングで計画的に下半身を鍛えてきたので目標としていた一昨年の自己タイム更新を達成することができました。
・今回の自己タイムは去年を上回ることができなかったけれど、完走できてよかった。
・ スタート直前はすごく緊張したし、走っている間も苦しかったけど完走できて良かったです。
・走りきれるか不安でした。この前の練習で○○さんが45分という記録を出しており、それを見て少し勇気付けられました。そのほかにも負けたくないという気持ちもありいろいろ含めて走りきれました。
・親が応援してくれて、うれしかったです。

当日は練習不足で不安なスタートを切りましたが、結局は日々のバレーボールなどの継続的な 運動のおかげで、知らず知らずのうちに筋力アップ・持久力アップが図られたことにより、全員が一時間を切るという快挙を成し遂げました。
 入寮前、不規則な生活からヒョロヒョロで栄養失調だった子や、100`を超えていた肥満の子、生活習慣病だった子どもたちやその予備軍。自転車にのって腰を疲労骨折した骨粗しょう症の子・・・が規則正しい生活と適度な運動で入院することも無く、体重も標準体重になり血液検査の異常値も基準値になって・・・歩くことから始めて少しずつレベルアップというよりも、少しずつリハビリを開始しました・・・そして、遂には10キロを制覇したのです。 子供たちはしっかりと目標を持ち、それに伴う日々の努力により初志貫徹。目標を達成したことの喜びでどの子もいい顔をしていました。 心身共にたくましくなってゆく子どもたち。それはまるで水を得た魚・・・ 今月も元気に泳ぎまわっています。これからも幾多の沢や滝が待ちうけていることでしょうが、子どもたちは果敢に上流に向かってのぼっていくことでしょう。

                        塾教育学院    日下部 愛子

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