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今月は、月に一度のミーティング(毎月第二火曜日の午後に寮生全員が集まり1ヶ月間の反省を話し合ったり、防災訓練をしたり、家族への手紙を書いたりする日)についてお伝えします。
まず始めに、先月行われたミーティングからお伝えします。
 この時はガス代が季節や人数を考慮しても高かった為、その原因と改善策を話し合ったのでした。
過去において、ご父兄の皆さんも長田塾で聞かれたことがあると思いますが、水道代が毎回20万円を超えることが続いた時がありました。
原因を調べると、水を流しっぱなしで食器洗いや、洗濯(2層式)などをしており、中には、何時間も水を流したまま屋上を洗ってしまった子がいて、<きれいにする>という思いはよいのですが、水を出したり、止めたりしてきれいにする・・というこんな単純なことさえ機転がきかなかったのです。
この時の水道代は過去最高の25万円を記録し、毎回の20万円を超える現状に水道局の方が水漏れがあるのでは・・と心配してよくみえたものです。
どの子も水を止めながら・・とか、もったいないという気持ちを持たず、使いっぱなしによる結果でした。
靴下1足を4`全自動洗濯機で平気で洗う子、キャベツ1個を横半分に切って、茎側すべてを捨てる子、電化製品のつけっぱなし・・など今までに信じられないことが多々ありました。
このため、ミーティングの時間を利用し再度、光熱費の節約について話し合ったのでした。
次に今月のミーティングですが、いたって平和なひとときが過ぎていったせいか、特にこれといって話し合うことも無く・・・とお伝えしたいところですが、数日前に行った指導員による部屋チェックの際にみつかった物について、話し合いとなりました。
部屋の隅に無造作に置かれた袋の中に、AV関連のDVDが5枚入っていたのです。
持っていた子は年頃の男の子です。興味が無かったらこれはおかしい話で、あってあたりまえです。ですが、ここには中学生もいます。この寮のルールでは禁止です。きちんとしまっていたわけでもなく、自己管理ができていない状態であったとみなし、全て没収としました。
名前はふせて、その子だけではなく全体が再認識するためにも、改めて話し合いをしました。
  さて、話は変わりますが、ある新聞社からのご好意で、昨年に引き続きチケットを頂戴しました。 (去年は世界報道写真展)今年は展覧会"星野道夫の宇宙"です。(仕事が入っている子は行ってません)
星野さんは大学を卒業後、神田の古本屋でみつけた一冊の写真集との出会いから、アラスカへ旅立ち、自然、その地に生きる人々、そこでみつけた生き物たちをカメラに収め続けました。
マイナス40度にもなる山の中でオーロラを待った時も、カリブーやクマの姿を求めて1ヶ月以上もただ1人行動した時も、常に謙虚にありのままの自然を受入れたのでした。
しかし、今から7年前、ロシアカムチャッカ半島を訪れた時、クマに襲われ亡ったのです。
この写真展で星野さんは多くのことを伝えてくれました。大自然の中でみつめた生と死を、真正面から私たちにぶつけてくれました。
当日、子供達は写真の前で何度も足を止め、目をみ開いて真剣に見ておりました。ある子は写真すれすれに顔を近づけたり、逆に遠くから見つめる子もおりました。
写真に添えられたメッセージを長いあいだ読み返す子や、写真の前から微動だにせず、しばらく立ち続けた子もいました。子供達にとって、それぞれに印象に残った写真やメッセージがあったようです。
子供たちがこのようなすばらしい機会と感動にめぐり合えた事を心から感謝し、寮に戻りましてから、ひとりひとりがチケットを頂いた方に、お礼の手紙を書いたのは言うまでもありません。
ご父兄の皆様も、いつの日か星野道夫さんの写真展をご覧になる機会がありましたら、この感動を子供達と共有していただければ幸いです。

塾教育学院     日下部 愛子

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